ちょこっと豆知識
『ガラス』の種類と選び方
2022-08-03
ガラスの種類と選び方
一般的に普及しているガラスといえば「フロートガラス」と言われる上記にも記載した透明なガラスでしょう。
その他にも、よく水まわりで採用される、ぼかし加工がされた「型ガラス」といったものが
皆様にも馴染みが深いものではないでしょうか。
しかしながら、ガラスの種類にはもっと沢山のものがあるのです。
実は、ガラスの選び方は「何を重視するのか」で決まります。
冬寒くなく、夏は暑くならない空間を求めたいといった住居性には欠かせない断熱性能はもちろん、外部からの目線を遮ることに特化したガラス、見た目のアクセントとして採用するガラスもあります。
また、防音や防犯性を重視した場合のガラスといったように様々な観点から用途に応じてガラスは選定することが必要となります。
○騒音がある場合
生活騒音はストレスやご近所トラブルの原因No,1とも言われています。
こういった事が原因で事件や訴訟に発展してしまってはいけません。
「出す音」も「入ってくる音」も上手にコントロールすることが重要でしょう。
音の物質には特定の周波数で振動するコインシデンス効果という現象から複層ガラスで同種・同厚のガラスを使用した場合は特定の周波数で音が共鳴現象を発生させ、音が増幅されてしまいます。
ビアノのレッスン場等、大きな音の出る部屋へ窓を採用する場合はコインシデンス効果と共鳴透過現象を打消す効果の期待できる、厚さの違うガラスを組み合わせた【異厚複層ガラス】等を採用すると良いかもしれません。
○視線も光も調整したい。けれど、部屋内側のブラインドは嫌
そんなわがままさんへ
お風呂やキッチンで外部からの視線の遮断をしたい。しかし、型ガラスを採用すると外の景色が眺められない。ブラインドを部屋内側に取り付けることは出来るが、湿気や油の飛び散りが気になる。
そんなお悩みを抱えている場合は【ブラインド入複層ガラス】が良いかもしれません。
2枚のガラスの間にブラインドが入っていることで羽の角度を調整すると、気になる外部から視線も上手に遮ることができます。角度を上手に調整すれば不要な太陽の熱をカットしながら光を取り込むことも可能になるでしょう。
そしてガラスの間にブラインドが入っている為、キッチンの油がブラインドへ付着する事や
浴室の場合、ブラインドが濡れる心配もないので水アカの心配もありません。
普段のお掃除の手間も省けれますね。

カーテンのおはなし!!
2022-07-19
いかがでしたでしょうか。
今回は、どの家庭でもあるカーテンを取り上げてみましたが、意外とカーテン1つとっても奥深いものがあります。
新築、またはリフォームをしたきっかけにカーテンを新調したり、お部屋の配置換えを機にカーテンを新調!
などの際に、参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考資料「建築知識」

住宅ローン控除に係る改正!!
2022-06-13

従来は5,000万円(認定住宅の場合)を上限に年末残高の1%を所得税・住民税額(一部)から原則10年間(一部13年)控除する仕組みでしたが、今回の改正点では大きく制度内容に変更が起こりました。
具体的には、改正前の入居期限は2021年末でしたが4年間延長され2025年末までの入居が適用となり、控除期間も新築の場合原則13年間となりました。
しかしながら、改正前の控除率は住宅ローンの年末残高に対し1%だったのに対し、今回の改正では控除率が0.7%に引き下げられた傾向があります。
控除率の引き下げとなった原因には、現在の住宅ローン金利は各金融機関1%未満という低金利も珍しくなく、実際に支払っている利息より控除額が大きくなる「逆ザヤ」状態が指摘されたことにあるでしょう。
特に高所得者が金利差益を受けるため借りる必要のない住宅ローンを組むケースも散見されたことから今回のように是正される形となりました。
また対象となる方の所得要件も変更となり所得金額3,000万円以下から改正後は2,000万円以下と下げられた点もポイントとなります。
さて今回の改正点は、今後住宅ローンを借りる方達に対しどのようなメリット、デメリットをもたらすのでしょうか。
改正前の住宅ローン控除制度では住宅ローンの当年末残高の最大1%を自らの所得税・住民税から10年間控除できるスタイルでしたが、こういった内容では最大1%の恩恵を一部しか受けれなかった層に対しては恩恵を全て受け取るのは難しかったように感じます。しかしながら、期間が10年から13年に延長されたことで、そういった層には期間延長という形で有利に働くことでしょう。
一方で所得要件により住宅ローン控除の対象外となる高所得層には不利となる事も考えられます。
※まとめ※
〇有利に働くケース
・自らの所得税・住民税から勘案した際に1%の控除率をフルで活用できない方
・認定住宅など住宅性能が高い住宅の購入を検討している方
〇不利に働くケース
・所得要件により住宅ローン控除の対象外となる方
・所得税が多く、控除率1%の恩恵をフルに受けれていた方
今回の記事は改正点の一部を取り上げてみました。
その他にも2024年以降、省エネ基準を満たさない新築住宅は控除の対象から外れてしまうといった内容も改正されている点ではありますが
さらに気になる、詳しく聞いてみたい方は
小椋設計事務所までお尋ねください。


コロナ禍から生まれた間取りの変化
2022-06-09
玄関からリビングへの動線を壁等にて目線区切りはするものの、同一の空間として採用してしまうように廊下を設けなかったり、廊下を設けてもそのスペースが生活空間に取り込まれているのが特徴だ。
いわゆる廊下を通路だけにさせないといったことだろうか。
一般的な30坪の総2階建の場合、1階の廊下のみでも2~3畳ほどのスペースを必要としてしまう。
そのスペースを無くすことで、リビングに取り込めば広い空間になることや、仕事スペースとして新たな部屋を採用することも可能となるだろう。
しかし廊下をなくして本当に良いものだろうか
昭和30年代の
日本住宅では居間、寝室、子供部屋が隣接された状態で配置されていた。

だが、これでは居間からの会話が聞こえる等プライバシーの確保が難しく、不満の声も多かったようだ。 そこで生活空間を分ける工夫とし居間と寝室を離し、寝室と子供部屋を離すために廊下が採用された。
こういったことで各部屋のプライベートが確保されてきた過去がある。
しかしながら近年コロナ禍の状況により、ステイホームやテレワークなど、家族での在宅時間は増加。増えたお家時間を快適に過ごしたい

そういった背景から一番に求められたものは住居スペースの広さではないだろうか。

リモート会議ともなれば、家族と同じスペースでの作業は苦になるだろう。
しかし前途したように金銭面からも単純に住宅の面積を広げることは簡単な事ではない。
広くすれば、新築時の建築費用上昇は必須であろう。
面積を広げず、スペースを確保したい。そういった背景から目を付けたのが廊下というスペースである。
廊下のスペースを利用し、居住スペースに取り込むことが出来れば同じ面積でも、ゆとりある空間が手に入るのではないだろうか。
ただし、単純に廊下をなくすだけでは昔のプライベートの無い住宅になってしまう。
収納等をうまく利用し部屋間を間仕切ることも必要になるであろう。
こういった住居の場合、鳥取県が推奨するNE-ST住宅にも有効に働くことになる。
日本では昔から採暖という「人の集まる所だけ温める(居間のみ温める)」風習があるが、この場合、居間から廊下に出た際、気温の変化を感じることになる。
これは身体的にも負担
がおおきいものだ。

しかしながら、前途した住宅では廊下等のスペースが無い背景から間仕切りが少なく家全体を均一に温めることが可能となる。
本当の意味の「暖房」が可能となるわけだ。
コロナ禍から生まれた間取りの変化は予想外にも建築業界にいろいろな可能性を示唆させてくれたことではないだろうか。

屋根の形状のおはなし
2022-05-18
上記のように一見メリットばかりの切妻屋根のようですが、この屋根は末広がりの形状の為、ある程度の敷地面積がない場合には採用が難しいといったデメリットもあります。
そういった中で近年、都市部近郊では土地の価格高騰から敷地面積も広く取れないといった背景から、外壁からあまり屋根が出ない片流れ屋根(軒ゼロ含)の採用が多く普及している背景があります。
メリット②
【建築費の削減】
片流れ屋根は他の屋根形状と比べ、材料、施工の簡素化が図られることから、建築費が下げ
られコスト削減につながります。
よって、ローコスト住宅には片流れ屋根の採用が多くみられます。
メリット③
【おしゃれに見える】
以前より日本に普及している切妻屋根や寄棟、入母屋と比べ箱型でシンプルなデザインは、
スタイリッシュなお家となり若い方を中心に多くの方に好まれるデザインの形状となること
でしょう。
このように、現代の需要に沿ったメリットいっぱいの片流れ屋根にも、他の屋根形状にはないデメリットも存在します。
次は片流れ屋根のデメリットも探ってみることにしてみましょう。
デメリット①
【自然な屋根裏換気循環が起こりにくい】
一般的な屋根の形状は屋根裏に換気口を設けることで、自然風による換気ができる仕組みと
なっています。
換気が行われるためには空気が入る場所と出る場所の二か所の換気口が必要となりますが、片
流れの場合一方向にしか換気口を設けることができず、屋根裏の空気の対流が起こる可能性が
懸念されます。
そこで機械を屋根裏に設置し、強制的な換気を検討することも必要となるでしょう。
デメリット②
【雨樋への影響が大きい】
切妻屋根の場合、屋根は山形のように中央を起点に両側へ分かれます。
切妻形状の屋根へ雨が降ると、水量は単純に両側へ1/2ずつとなりますが、片流れ屋根の場合は
屋根に当たった水は一方方向に流れ、一か所の雨樋に集まります。
よって切妻屋根と比べ倍に近い水量が雨樋に流れ込むこととなり、樋への負担は大きなものと
なることでしょう。
鳥取県のように降水量の多い地域では、定期的に雨樋のメンテナンスは必要となる可能性は屋
根形状を考えるうえで念頭に置いておきましょう。
雨は基本的に上空(上)から地面(下)へ降りますが、大風が吹いている際の雨は、壁に当たった雨が風により下から上へと吹き上げられるといった現象が起こることがあります。
軒(のき)の少ない片流れ屋根の場合、そういった壁に当たった雨が屋根と壁の隙間に侵入してしまい、雨漏りとなる可能性も考えなくてはいけないでしょう。

片流れ屋根はおしゃれなデザインから近年の住宅にマッチした近代的な住宅になることが魅力的であり、太陽光の設置やコスト等を考えるとほかの屋根にはない魅力も多々あります。
しかし、自然換気の起きにくさや降水量の多い地域では雨漏りのリスクの懸念など、デメリットも持ち合わせていることを念頭に置き、屋根形状をかんがえることが必要でしょう。
お家は屋根も含め何十年と家族がともに暮らす、重要なものです。
どのようなお家をたてるのか、慎重に検討することが必要ではないでしょうか。
