とっとり健康省エネ住宅『NE-ST』
「日本の省エネ基準では健康的に過ごせない!?」・・・・・鳥取県が断熱性能に力を入れる理由とは
ヒートショックによる死亡者数が交通事故の約4倍!?
国民が健康的な生活を送れるようにと定められているのが、省エネルギー基準(以降、省エネ基準)です。
この省エネ基準をクリアすることは家を建てる際の義務ではありませんが、金利の優遇をうけられ【フラット35】の利用条件の1つに、「断熱性能等級4」があり、これは現在の国の省エネ基準に相当します。
また住宅ローン控除や固定資産税優遇制度などが受けられる長期優良住宅の「省エネルギー対策」も断熱等性能等級4が条件となる。
このように省エネ基準を満たす家づくりが推奨されているなか、鳥取県は国の基準より高い「HEAT20」の基準を参考に、「とっとり健康省エネ住宅性能基準」を定めました。
鳥取県は日本の西のほうだからさほど寒くないのでは?と思いがちですが、県の象徴でもある大山(だいせん)にはスキー場があるなど、冬になれば山陰の寒い気候で雪が積もります。
国のスマートウェルネス事業にも携わっておられる慶応大学の伊香賀先生の調査で、鳥取県は全国の冬季の死亡率がワースト16位だそうです。
すべての死因がヒートショックによるものかどうか判断は困難だが、冬の心疾患や脳血管疾患といえば、ヒートショックにより引き起こされる疾患の代表格です。
その数が寒冷な北海道や青森県よりずっと多い。死亡増加率の高い県は、意外と比較的温暖な地域がずらっと並んでいる。
「ヒートショックは寒い時期に起こりやすい→→→だから寒くない地域はそこまで心配する必要はない」といった油断の結果ではないでしょうか。
「寒い地域だからこそ、家の断熱性は高くしよう、家を暖かくしよう」と考えている人が多いからこそ、寒冷な地域は数が少ないのでは。
鳥取県独自の省エネ基準『NE~ST』が、全国から注目!!
【健康改善の効果】
高気密・高断熱な家は、結露の防止によりカビやダニの発生を抑制し、アレルギーや喘息などの病気の予防・改善効果があることが分かってきました。
高気密・高断熱な家は、結露の防止によりカビやダニの発生を抑制し、アレルギーや喘息などの病気の予防・改善効果があることが分かってきました。
【血圧改善の効果・子どもの神経発達への影響】
冬に温かい居間から寒いお風呂場やトイレに移動した際の、急激な温度変化によるヒートショックを防止するほか、血圧改善の効果は医学界でも注目されています。
また、暖かい家となることで家の中での運動量が増加し、子どもの発達促進などにも効果があるといわれます。
【工事費と冷暖房費削除との関係】
高断熱・高気密な家にするための工事費は増えます。
しかし、生活に必要な冷暖房費を抑えることにより、県の推奨するT-G2では15年で冷暖房費の削減により増額となった工事費を回収できる試算となります。
【高気密によりきれいな空気を】
住宅には24時間換気が義務化されていますが、隙間の多い家では空気をうまく入れ替えることができません。高気密な家は、コロナ禍でもきれいな空気で安心して暮らせる住まいとなります。
鳥取県では県民の健康の維持・増進、省エネ化の推進及びCO2削減を図ることを目的として、戸建住宅を新築する際の県独自の省エネ基準(とっとり健康省エネ住宅性能基準)を策定しました。
基準は断熱性能と機密性能について3段階のグレードを定めています。
新築・改修を予定されている方の支援に向けた補助金があります。
〇新築を予定されている方
〈とっとり未来型省エネ住宅特別推進事業補助金〉
県産材を10m3以上または内外装材で20m2以上使用し、ZEHまたは将来的な太陽光発電設備の設置に備えたとっとり健康省エネ住宅『NE-ST』を新築される方に補助されます。
基本的な要件
県内に本拠地を置く建設業者の施工
独立した生活が可能な木造戸建て住宅
県産材を10立方メートル以上または内外装材で20平方メートルいじょう使用
とっとり健康省エネ住宅『NEーST』の認定を受けた住宅であること
ZEH、Neary ZEHとして認定を受けた住宅、または将来的な太陽光発電設備の設置に
備えている住宅であること
〇改修を予定されている方
〈とっとり健康省エネ住宅改修支援事業補助金『Re NE-ST』〉
基本的な要件
省エネ性能を向上させる改修を行う既存戸建て住宅
改修の設計及び施工を県に登録された事業者が行うこと