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ちょこっと豆知識

コロナ禍から生まれた間取りの変化

2022-06-09
2020年初頭から始まったコロナ禍の影響は、建築の間取りにも大きな影響を及ぼした。
その一つが玄関を入った際の手洗い場の設置、または住居内への仕事スペースの確保等ではないだろうか。

いままではあまり認識されなかった住居内の仕事スペース確保を考える上で、住宅面積が大きくなれば当然にトータル建築費が上昇してしまう原因となる。
そこで、近年普及している考え方が「廊下をなくす」といった志向だ。
玄関からリビングへの動線を壁等にて目線区切りはするものの、同一の空間として採用してしまうように廊下を設けなかったり、廊下を設けてもそのスペースが生活空間に取り込まれているのが特徴だ。
いわゆる廊下を通路だけにさせないといったことだろうか。
 
一般的な30坪の総2階建の場合、1階の廊下のみでも2~3畳ほどのスペースを必要としてしまう。
そのスペースを無くすことで、リビングに取り込めば広い空間になることや、仕事スペースとして新たな部屋を採用することも可能となるだろう。
 
しかし廊下をなくして本当に良いものだろうか
 
昭和30年代の日本住宅では居間、寝室、子供部屋が隣接された状態で配置されていた。
だが、これでは居間からの会話が聞こえる等プライバシーの確保が難しく、不満の声も多かったようだ。 そこで生活空間を分ける工夫とし居間と寝室を離し、寝室と子供部屋を離すために廊下が採用された。
こういったことで各部屋のプライベートが確保されてきた過去がある。
 
しかしながら近年コロナ禍の状況により、ステイホームやテレワークなど、家族での在宅時間は増加。増えたお家時間を快適に過ごしたい
そういった背景から一番に求められたものは住居スペースの広さではないだろうか。

家族全員が住宅に長時間いるようになり、勉強や仕事などそれぞれの自分事を行う。
リモート会議ともなれば、家族と同じスペースでの作業は苦になるだろう。
しかし前途したように金銭面からも単純に住宅の面積を広げることは簡単な事ではない。
広くすれば、新築時の建築費用上昇は必須であろう。
面積を広げず、スペースを確保したい。そういった背景から目を付けたのが廊下というスペースである。

廊下のスペースを利用し、居住スペースに取り込むことが出来れば同じ面積でも、ゆとりある空間が手に入るのではないだろうか。
ただし、単純に廊下をなくすだけでは昔のプライベートの無い住宅になってしまう。
収納等をうまく利用し部屋間を間仕切ることも必要になるであろう。
こういった住居の場合、鳥取県が推奨するNE-ST住宅にも有効に働くことになる。
 
日本では昔から採暖という「人の集まる所だけ温める(居間のみ温める)」風習があるが、この場合、居間から廊下に出た際、気温の変化を感じることになる。
これは身体的にも負担がおおきいものだ。

しかしながら、前途した住宅では廊下等のスペースが無い背景から間仕切りが少なく家全体を均一に温めることが可能となる。
本当の意味の「暖房」が可能となるわけだ。
 
コロナ禍から生まれた間取りの変化は予想外にも建築業界にいろいろな可能性を示唆させてくれたことではないだろうか。
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