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ちょこっと豆知識

屋根の形状のおはなし

2022-05-18
こんにちは。
今回は屋根の形状について考えてみましょう。
日本の住宅には様々な形の屋根が存在します。
以前から日本に広く普及していた屋根形状の代表格は山形で傾斜のある切妻造りではないでしょうか。

切妻屋根の特徴として『雨漏りがしにくい構造となっている』といったところがあげられています。
また棟換気といい、湿気を屋根裏に閉じ込めない形状であることも特徴の一つです。
最近の住宅は、天井裏、または屋根へ断熱材を施工しますので、屋根裏に湿気が滞留してしまう事は屋根の寿命を極端に低下させてしまう可能性を秘めています。




上記のように一見メリットばかりの切妻屋根のようですが、この屋根は末広がりの形状の為、ある程度の敷地面積がない場合には採用が難しいといったデメリットもあります。
そういった中で近年、都市部近郊では土地の価格高騰から敷地面積も広く取れないといった背景から、外壁からあまり屋根が出ない片流れ屋根(軒ゼロ含)の採用が多く普及している背景があります。
上記でも片流れ屋根のメリットを少し上げてみましたが、その他には片流れ屋根にどのようなメリットがあるのか挙げてみましょう。

  メリット①
  【太陽光発電が設置しやすい】
  片流れの最大の特徴は屋根の上の面積が広
  く取れることでしょう。
  南方向に屋根を向けた際に、多くの太陽光
  パネルを設置できることは最大の魅力で
  しょう。
 メリット②
  【建築費の削減】
  片流れ屋根は他の屋根形状と比べ、材料、施工の簡素化が図られることから、建築費が下げ
  られコスト削減につながります。
  よって、ローコスト住宅には片流れ屋根の採用が多くみられます。

 メリット③
  【おしゃれに見える】
  以前より日本に普及している切妻屋根や寄棟、入母屋と比べ箱型でシンプルなデザインは、
  スタイリッシュなお家となり若い方を中心に多くの方に好まれるデザインの形状となること
  でしょう。
このように、現代の需要に沿ったメリットいっぱいの片流れ屋根にも、他の屋根形状にはないデメリットも存在します。

次は片流れ屋根のデメリットも探ってみることにしてみましょう。

 デメリット①
 【自然な屋根裏換気循環が起こりにくい】
 一般的な屋根の形状は屋根裏に換気口を設けることで、自然風による換気ができる仕組みと
 なっています。
 換気が行われるためには空気が入る場所と出る場所の二か所の換気口が必要となりますが、片
 流れの場合一方向にしか換気口を設けることができず、屋根裏の空気の対流が起こる可能性が
 懸念されます。
 そこで機械を屋根裏に設置し、強制的な換気を検討することも必要となるでしょう。 


 デメリット②
 【雨樋への影響が大きい】
 切妻屋根の場合、屋根は山形のように中央を起点に両側へ分かれます。
 切妻形状の屋根へ雨が降ると、水量は単純に両側へ1/2ずつとなりますが、片流れ屋根の場合は
 屋根に当たった水は一方方向に流れ、一か所の雨樋に集まります。
 よって切妻屋根と比べ倍に近い水量が雨樋に流れ込むこととなり、樋への負担は大きなものと
 なることでしょう。
 鳥取県のように降水量の多い地域では、定期的に雨樋のメンテナンスは必要となる可能性は屋
 根形状を考えるうえで念頭に置いておきましょう。
 デメリット③
 【雨漏りリスクが高い】
 一般社団法人 住宅保証支援機構によると新
 築住宅の雨漏りが圧倒的に多いのが片流れ屋
 根とのこと。
 新築住宅の雨漏り発生率の75%が片流れ屋
 根による雨漏りであったとの報告もあるほど
 です。
 実に雨漏りしている住宅の4棟中3棟が片流れ
 屋根のようです。
 雨漏り箇所として多い部分に、屋根の上部か
 らの浸透及び、屋根側面からの雨水の浸透が
 多見受けられるようです。
雨は基本的に上空(上)から地面(下)へ降りますが、大風が吹いている際の雨は、壁に当たった雨が風により下から上へと吹き上げられるといった現象が起こることがあります。
軒(のき)の少ない片流れ屋根の場合、そういった壁に当たった雨が屋根と壁の隙間に侵入してしまい、雨漏りとなる可能性も考えなくてはいけないでしょう。


 まとめ 

片流れ屋根はおしゃれなデザインから近年の住宅にマッチした近代的な住宅になることが魅力的であり、太陽光の設置やコスト等を考えるとほかの屋根にはない魅力も多々あります。

しかし、自然換気の起きにくさや降水量の多い地域では雨漏りのリスクの懸念など、デメリットも持ち合わせていることを念頭に置き、屋根形状をかんがえることが必要でしょう。

お家は屋根も含め何十年と家族がともに暮らす、重要なものです。
どのようなお家をたてるのか、慎重に検討することが必要ではないでしょうか。
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